お肌に茶褐色の斑点のように現れるしみやそばかすで悩んでいる方は非常に多くいらっしゃいます。しみは大きく5種類のタイプに分けられ、それぞれが生じる原因にも違いがあるため、医師による診察を行ったのち、正しい治療法を選ぶ必要があります。
皮膚の構造は表面から「表皮」「真皮」「皮下組織」という順番で構成されています。表皮と真皮を合わせた顔の厚みはわずか1.5mmと薄い組織で、その中 でも表面にある表皮は0.2mmほどと非常に薄くできています。この表皮は28日周期で角化、脱落を繰り返すターンオーバーと呼ばれる新陳代謝を行ってい ます。通常はこのターンオーバーよって、メラニン色素を含んだ皮膚が押し上げられ、新しく生成された皮膚と入れ替わります。しかし、メラニン産生メカニズ ムに異常が生まれると 、メラニン色素が沈着して皮膚が黒い斑点のように見える状態、つまりしみができてしまうのです。
しみは原因によって5種類に分けられ、それぞれメラニンの広がり方にも違いがあります。
メラニンがどこに沈着するかで治療方法そのものが異なります。
顔、手背、腕など紫外線の当たりやすい部位にできる、茶褐色ではっきりとしたシミです。紫外線が当たることで活発化したメラノサイトが、メラニンを産生することが原因で生まれます。数年前、数十年前に日焼けをしていた結果がシミとなってお肌に現れます。この老人性色素班が表われるのは、30歳頃と言われています。
2~3mmに淡褐色の小さなシミが多数出現するタイプのシミで、顔の場合、頬から鼻背にかけて見られるのが特徴です。背中や胸元、鼻下などの紫外線の影響を受けやすい部位にもできることがあります。
頬や前額など左右対称性に現れるシミです。色は比較的薄く、べたっとした印象がありますが、ときには濃く非常に目立つこともあります。日本人の約40%の女性が肝班を持つとも言われおり、女性ホルモンのバランスの変化や紫外線、接触の刺激、ストレスなどが悪化の要因とされています。
にきび、擦り傷、かぶれ、日焼け、やけどなどにより、炎症が生じた後に現れるメラニンの沈着によるシミです。炎症の深さによりメラニンが沈着する部位が異なるため、様々な色調、形状を呈することがあります。色素沈着が表皮内にあるのか真皮内にあるのかによって、治療法が大きく変わってきます。
20歳くらいから出現する淡褐色~紫褐色の色素斑で、両頬や小鼻に点状に広がるシミです。真皮内に入り込んだメラノサイトが女性ホルモンや紫外線などの刺激をきっかけとしてメラニンを作り出し顕著化します。肝斑と似た症状がありますが、その治療法は異なります。
日本人の女性の4割が持っていると言われる「肝斑」。この肝斑を持っているか否かが、治療法を決定します。なぜなら、肝斑は刺激されると悪化するため、見 誤ってレーザーを照射すると、治療どころか逆効果になってしまうからです。当院では、治療の第一段階で、肝斑があるかどうかを慎重に診察しています。
最新医学による理論の上では、シミの原因であるメラニンを取り除く場合、メラニンだけを壊してあげればいいわけですが、皮膚のどの深さ、どの層にあるのかを見極めて的確に治療すれば、より十分な効果を発揮できるだけでなく、安全に治療ができます。シミは一種類ができることは少なく、前述した5種類のシミが混在する場合がほとんどです。そのため治療法も数種類の組み合わせを行う必要があります。また、飲み薬や塗り薬などホームケアを併用することで相乗効果が得られることもあります。当院では、様々な治療法を用意し、その人にあった治療法で、時にはそれらを組み合わせながら、確実にシミを改善していきます。